仙台GK関憲太郎(27)が、開幕戦(3月1日、ホーム新潟戦)の守護神の座に大きく近づいた。宮崎キャンプ8日目の23日はフィールドプレーヤーが軽めのメニューで調整する中、GK陣はシュートストップなど約1時間のメニュー。前日22日の札幌との練習試合で主力組で90分無失点に抑えた背番号21は鋭い反応を見せてアピールし、桜井との定位置争いでリードを奪った。

 悲願のJ1デビューが、はっきりと見えてきた。この日の練習でも近距離からのシュートを抜群の反射神経で防ぐなど持ち味を発揮。前日の札幌戦では「公式戦を意識して、流れが悪いときも落ち着かせようと思った」と最後尾から大きな声で指示を出し、ボールを支配された時間帯も無失点でしのいだ。これまでJ1では出番に恵まれなかっただけに「与えられた持ち場でしっかりやろうと決めている」と前置きしたが「ポジションは1つしかないですからね」。5日後に迫った開幕を前に、定位置奪取への強い思いを口にした。

 絶対守護神だった林が抜けた穴を感じさせるわけにはいかない。昨季は桜井に次ぐ3番手。出場は天皇杯2回戦の秋田戦1試合だけで、リーグ戦ではベンチ入り10試合にとどまった。今季はキャンプからベテラン桜井との一騎打ち。切磋琢磨(せっさたくま)する姿を間近で見てきた佐藤GKコーチは「関は去年と意気込みが間違いなく違うし、目の色が変わった。しっかりアピールしている」と成長を感じている。

 ポジションを奪って活躍することで、仙台への感謝を示す。入団3年目の10年からJ2横浜FCに期限付き移籍し、11年にレギュラーを獲得。3シーズンの“武者修行”で59試合を経験した。今オフも林の広島移籍が決まったにもかかわらず、クラブはGKを補強しなかった。関は「チャンスをくれた強化部や監督、コーチに感謝している。準備はできているし、試合でいいパフォーマンスを見せたい」。JのGKでは最も身長の低い177センチが、ベガルタの守備を支える大きな存在になってみせる。【鹿野雄太】