新生ベガルタが万全の状態で本番へ向かう。仙台は26日、宮崎市内で1カ月に及んだキャンプを打ち上げた。日本での初キャンプとなったアーノルド監督(50)は、離脱者なしの準備期間に満足の様子。今日27日から仙台市内で調整し、3月1日の開幕新潟戦(ユアスタ)に臨む。

 冷たい雨が降りしきる中でも、指揮官の表情は晴れやかだった。1月26日の鹿児島入りからちょうど1カ月。リハビリ組の上本と蜂須賀をのぞく25選手が、負傷離脱することなく全日程を終えた。異国の地で迎えた就任1年目のキャンプ。自然とこぼれた笑みが充実ぶりを物語っていた。

 アーノルド監督

 選手のケアは私に課せられた義務。クラーク(フィジカルコーチ)のセットしたメニューでケガを予防し、それぞれの疲労感や体の重さをケアしてきた。この1カ月間は選手を知って分析する機会だったし、逆に私とクラークを知ってもらう時間でもあった。収穫のあるいいキャンプだった。

 ケガ人なしという事実が証明しているように、長いシーズンを乗り切るための体力づくりはできた。この日の11対11の戦術練習でも攻守の切り替えの速さとDFラインの押し上げを厳しく要求。選手たちは実戦さながらにボールを奪い合い、パスが来なくてもスペースを突く“無駄走り”を惜しまなかった。各ポジションで激しい競争も生まれ、開幕までの準備期間を全力で駆け抜けた。

 アーノルド監督

 選手、スタッフは全員が本当によくやってくれた。始動日(1月18日)に比べれば、選手たちは10倍以上は動けるようになっている。(キャンプ入り前に)思い描いていたものよりも、しっかりとした練習ができた。キャンプを採点するなら(100点満点で)90点。残りの10点は私の段取りの悪さ。自分に対する減点だよ。

 新シーズンの主将については「仙台に帰ってから、先に選手に伝えたい」という意向もあり、今日27日にも発表される。アーノルド仙台の船出は、いよいよ2日後に迫った。【鹿野雄太】