J2も忘れるな!

 J1から1日遅れて今日2日に開幕する。優勝候補筆頭の磐田は、本拠地ヤマハスタジアムで札幌と対戦。J2からW杯出場を目指すFW前田遼一(32)は、日刊スポーツのインタビューに応じ、昨季の苦悩と日本代表復帰への思いを語った。

 J2からW杯へ、前田は諦めない。W杯イヤーに国内トップリーグで戦えなくても、やれることはある。

 「厳しいとは思っているけど、やれることはある。J2でやることしか、今は考えていない。相手はあんまり関係ないと思う。強いチームに勝てた方がもちろん楽しいけど、最近まったく勝てていないから。まず勝たないと。いいサッカーと言い続けていたけど、いいサッカーっていうのは勝つことだと思う。内容悪くても勝たないと話にならない。まずは勝ちたい」

 とにかく勝ちに飢えている。昨季J1でわずか3勝。すでに降格が決まっていた最終節の大分戦は勝利を収めるも、ベンチ外だった。試合後、ヤマハスタジアムでのセレモニーでは、自然と涙がこぼれてきた。チームに、自分に、何が足りなかったのか?

 オフから開幕までの間、自問自答を繰り返した。行き着いた答えは、練習にあった。

 「勝つためにどんどんやっていきたい。試合のための練習。練習が一番大事。練習でやったことが試合で出る。練習だからミスをしてもいいでしょ。ミスさせてほしい。走りだして合わなくても、そういうミスはどんどんやるべき。ミスをおそれないように無難にやるのが、一番よくない」

 ザッケローニ監督のもと代表の練習では「どんどん動きだせ」とハッパを掛けられた。「動きだしていたら『OK、OK。合わなくても続けろ』と」。アジア最終予選全8試合に出場し3得点。1トップとしてW杯出場に貢献した。だが昨夏のコンフェデ杯以降、磐田の低迷とともに代表の舞台から遠ざかっている。

 「コンフェデ杯では(得点の)チャンスが少ないなりにもあったけど点を取れなかった。味方とうまく連動して動けた場面はあった。日本の武器はそこ。(本田)圭佑もよく言っているし、今の圭佑はチームプレーヤー中のチームプレーヤーだと思う。その中で点を取りたい」

 夢のW杯のために、J2で取り続けることが今は一番の近道。「FWは点を取らないと代表には入れない」。代表復帰を信じて、やるだけだ。【栗田成芳】

 ◆J2からW杯出場

 過去には02年日韓W杯で、C大阪から選ばれたFW森島と西沢の2人だけ。ともに出場して、森島は1次リーグ第3戦チュニジア戦でゴールを決め、ベスト16進出に貢献。また海外組の2部では日韓大会のGK川口がイングランドのポーツマス、06年ドイツ大会のFW大黒と10年南ア大会のMF松井がフランスのグルノーブルに所属していた。