<J1:川崎F1-1柏>◇第7節◇11日◇等々力

 W杯日本代表メンバーの生き残りへ、焦りを隠せなかった。柏FW工藤壮人(23)がアピールに失敗した。川崎F戦で、7~9日の日本代表候補合宿と同じ右サイドの2列目で先発フル出場。シュートは試合終了間際の1本だけで無得点に終わった。

 冷静を装ったが、言葉には悔しさがにじみ出た。1-1の引き分けに終わった直後、「ボールを出してくれれば(ゴールを)決められる場面はいくつもあった。その選手が見えていないのか、自分が悪いのか。そういう場面にいることはポジティブに捉えたい」と、珍しく語気を強めた。

 後半に押し込まれる時間帯が増え、何度も最終ラインまで戻って守備に回った。それでも前線に上がり続けた。後半12分にロングパスに抜け出したがオフサイド。その直後に受けるパスがずれると「こっちだ!」とでも言うように大きなジェスチャーで仲間に求めた。「個人的な感情はチームで出してはいけないと思っている」と言う姿には葛藤がにじんでいた。

 先月5日のニュージーランド戦では代表に招集されるも出番はなし。先週の代表候補合宿でも得点できなかった。W杯メンバー発表まで1カ月。当落線上にいると自覚する23歳は、とにかくゴールを挙げるしかない。【桑原亮】