G大阪の日本代表MF遠藤保仁(34)が“大人のゴール”を見舞う。2年ぶりに実現する今日12日の大阪ダービー。FWとして先発する主将の遠藤は、C大阪のFW柿谷曜一朗(24)南野拓実(19)ら若手代表組を相手に、経験が詰まったゴールを見せつけ、4戦未勝利、降格圏16位からの脱出を狙う。C大阪の本拠地ヤンマーは4万人以上の動員が確実。最高の舞台で両軍のプライドが激突する。

 遠藤が2年ぶりの大阪ダービーへ、闘志を高ぶらせた。「C大阪には良い選手がそろっている。でもG大阪にはダービーを数多く経験している選手がいる。個人としてもゴールに絡まないといけないし、チャンスを作っていかないと。よりゴールを意識してプレーしていきたい」。ダービーでは初めてFWとして出場する34歳は、3試合ぶり今季2点目をノルマに掲げた。

 G大阪は過去、リーグ戦では18勝3分け9敗と圧倒してきた大阪ダービー。その中で遠藤は16試合3得点の実績を残すが、C大阪の24歳FW柿谷、19歳FW南野ら同じ代表の後輩には絶対に負けられない。経験値や理論に裏付けされた“大人のゴール”で5試合ぶりの勝利を目指す。

 遠藤を公式戦3試合ぶりにFW起用する長谷川監督は「得点力を生かしたいと思った。昨年からFWのポジションで点を取っているし決定力もある」と期待感を示した。6試合で3得点と深刻な決定力不足に悩むG大阪は、故障で離脱中のFW宇佐美も間に合わなかった。今季で17年連続得点を記録した大ベテランに頼るしかない。

 チーム全体でも34歳の遠藤を中心に、予想される先発平均年齢は28・45歳で、対するC大阪は25・18歳。若さと勢いがあるライバルに、昨季はJ2だったとはいえ名門クラブとして格の違いを見せたい。「たくさんお客さんも入る試合なので、モチベーションにつながる」と遠藤。名門の意地とプライドをかけた究極の戦いに臨む。【辻敦子】