長短自在の「新財前流」でクラブ記録を狙う。J2札幌は今日20日、札幌ドームで群馬と対戦。後半に長身選手へのロングボールを多用した前節大分戦は無得点で敗れたことを受け、財前恵一監督(45)が群馬戦は高さだけでなく、ベースにあるパスでつなぐサッカーとの使い分けを明示。新スタイルで4年ぶりの札幌ドーム3戦連続完封勝利と史上初の同ドーム9戦無敗につなげる。

 敗戦で得た糧を生かす。試合を翌日に控えた19日、財前監督は「高さはうちの武器だが、つないで崩すこと、ゴールに向かうアクションがあって、プラス高さとならないと点が入らない」と言った。昨季培った細かいパスでつなぐ形と今季、都倉や丁ら長身FW加入で可能になった高さ、この2つを融合するスタイルで、得点力不足に苦しむ攻撃陣を活性化させる。

 札幌ドームでは昨年7月から8戦9カ月負けなし。さらに中盤の底には11年5月4日、同ドームでの群馬戦でホーム初勝利になる決勝点を挙げた宮沢が入る。「点も取っているし悪いイメージはない。早く前に運ぶときと時間をかけるときの判断に気をつけたい」。状況に応じ柔軟にアプローチを変える。【永野高輔】

 ◆札幌ドームでの連続無敗記録

 最長は8試合で、過去3度記録している。03年11月16日4○1山形~04年11月6日1△1鳥栖(3勝5分け)、11年5月4日1○0草津~12年3月10日0△0磐田(5勝3分け)、13年7月27日3○0鳥取~14年4月5日1○0松本(6勝2分け)。札幌厚別を含めたホーム全会場での最長は07年3月10日1○0鳥栖(札幌ドーム)から8月11日3○0C大阪(同)までの16試合連続(9勝7分け)。