<J1:新潟0-0広島>◇第8節◇20日◇デンカS

 新潟は期待の日本代表候補FW川又堅碁(24)が好機を生かせず、ホームで広島と引き分けた。チームはシュート12本を放ちながら無得点に終わった。19日に試合のあった神戸が、広島と同勝ち点ながら得失点差で上回り、第1節終了時を除いて初めての首位に立った。

 勝てるチャンスを逃した。川又は後半19分、左足シュートはGK正面。22分にはゴール前の混戦で足元に転がってきたボールを左足で振り抜いたが、GKの体にはね返った。MF岡本や田中亜らも強引に打つ場面が多く、最後までボールを支配しながら無得点。柳下正明監督(54)は「最悪の試合。俺が俺が、とヒーローになりたがる選手ばかり。こんなチームを作った覚えはない」とまくしたてた。

 監督の言葉に、川又は「自分で行こうとしすぎた。冷静に周りをうまく使うのも1つの手」と反省しつつ「でも誰かが決めないと勝てないんで」。08年に入団後4年間は無得点が続き、ゴールポストばかりたたいたことから、ファンに「ポストマン」と呼ばれた過去がある。5月12日のW杯メンバー発表まで、リーグ戦は5試合。「決めるところで決めていくだけ」。まだチャンスは残されている。【由本裕貴】