G大阪の元日本代表DF加地亮(34)が26日、大阪府吹田市の万博練習場で米プロリーグ(MLS)チバスUSAへの移籍会見を行った。半年契約で合意し、完全移籍となる。今季に限っては単身渡米となる。

 会見はサポーター約300人の前で開かれ、加地は「米国に行って人としてもサッカー選手としても成長したい思いで移籍を決めた」と話した。

 既にチバスUSAの練習試合に参加した。「ダイナミックで展開が速く、日本のようにつないでいく形ではない。でも後ろからビルドアップしていくイメージを植え付けていけたらと思うし、コーチもそれを望んでくれている」。昨季西地区で最下位だったチームの起爆剤として活躍が期待される。

 06年W杯ドイツ大会では1次リーグ2試合で先発。代表引退表明後、G大阪で08年西野体制時にACLや天皇杯のタイトル獲得に貢献した。今季G大阪で9年目、副キャプテンを務めていた。朝7時にクラブハウスへ来て温冷交代浴を日課とするなど、サッカーに取り組む姿勢は若手の手本だった。「先を見ず、今日はこれをするということだけ考えて365日を過ごして積み重ねてきた。これからも悔いのない1日1日の過ごし方をしていきたい」。新たな挑戦に踏み出す。【辻敦子】

 ◆加地亮(かじ・あきら)1980年(昭55)1月13日、兵庫県生まれ。滝川二高から98年C大阪入り。U-20日本代表として99年ワールドユース(現U-20W杯)準優勝。00年大分-02年東京を経て、06年G大阪移籍。国際Aマッチ64試合2得点。家族は夫人と1男2女。177センチ、73キロ。

 ▼MLS

 1984年に消滅したNASL(北米サッカーリーグ)以来となる米国のプロサッカーリーグとして、96年に10チームでスタート。現在は19チームに増えた。東西の2リーグに分かれており、東カンファレンスが10クラブ、西カンファレンスが9クラブで成り立っている。