J1はW杯による約2カ月の中断を経て、今日19日から後半戦が本格的にスタートする。日本代表の浦和GK西川周作(28)は18日、4年後に向けて「ゼロ」からのスタートを宣言した。GKだけでなく11人目のフィールドプレーヤーとして攻守の要となるのは、ドイツ代表GKノイアーと同じ。最後方から首位チームの原動力となる構えだ。

 ゼロからの再スタートは西川にとって、大きな意味を持つ。中断前まで5試合連続完封。今日19日の新潟戦も無失点に抑え、6試合連続となればJ1タイ記録となる。「無失点は常にこだわっていきたい。コミュニケーションも取れているし、いい形で夏場を乗り越えられればタイトルに近づくと思う」と後半戦を占う夏場をポイントに挙げた。

 W杯が始まる前から、目標の選手はノイアーだった。「1プレーで流れを変えられる」。大会MVPはメッシに譲ったが、新時代のGKとして優勝の原動力となった。「バックパスを受けたり、ペナルティーエリアから出る時はDFのつもり」。似通ったプレースタイルも参考になった。11人目のフィールドプレーヤーとして、攻撃の起点になる。その意識の高さはパスを受けた数字に表れている。14節までで、383回はGKとしては断トツ。浦和の基本布陣は3-4-2-1。西川がパス回しに参加すれば1-3-4-2-1。自然と厚みが出てくる。

 「自分がDFラインの裏をカバーすれば、ラインを高く保てる」と持ち前の攻撃力を生かす、陰の立役者でもある。そして失点数は昨季の同時期14から今季は9と35%減。ホームのリーグ戦は現在4試合連続1-0勝ちと勝負強さも、兼ね備えている。「W杯での悔しい思いを取り返したい。Jリーグを盛り上げて、首位でやる緊張感をずっと続けていきたい」。W杯直前のザンビア戦で3失点。本番では出場なしに終わった。4年後へ向け、ここから新たな挑戦が始まる。【高橋悟史】