巻き返しはエースのゴールから始まる。清水FW大前元紀(24)が、今日19日のリーグ再開川崎F戦で1トップで先発することが濃厚だ。18日、約1時間半の非公開練習で最終調整を終えると「1トップで出れば、ゴールに一番近いわけだし、求められることは当然、ゴール。どんどん狙っていきたい」と語気を強めた。

 天皇杯2回戦のびわこ成蹊スポーツ大戦。チームはFWノバコビッチ(35)をトップ下に下げ、MF石毛秀樹(19)を1トップに上げた後半に5点を挙げ快勝した。アフシン・ゴトビ監督(50)は「後半に少しスタイルを変えたことでスペースができ、素早くゴールに向かえた」と話し、今週の練習から1トップに大前を置いて調整をしてきた。

 基本、両サイドFWでの出場が主な大前だが「やったことがないポジションというわけではない。縦パスをうまく引き出して、チャンスがあれば(DF陣の)裏も狙う。サイド攻撃が多くなると思うので、ニアサイドに飛び込んでいければ」。明確なイメージはできているようだ。

 現在、チームは5勝3分け6敗の10位。前半戦は5戦勝ち無しと苦しい状況で終えた。大前は「中断期間で切り替えられたと思うし、雰囲気は良い。この状態を継続していくためにも川崎戦は大事になる」。J2降格圏となる16位G大阪との勝ち点差は3だが、3位につける川崎Fとの勝ち点差もまだ6と混戦模様。上位追撃へ-。エースがネットを揺らす。【前田和哉】