<J1:神戸1-5G大阪>◇第17節◇27日◇ノエスタ

 超攻撃的ガンバが復活した!

 G大阪が今季リーグ最多を更新する5得点で、神戸との「関西ダービー」を制した。日本代表復帰を狙うFW宇佐美貴史(22)が、今季初の2ゴールを決めてチームをけん引した。新助っ人パトリック(26)も2戦連発の2得点で5-1で大勝。強力2トップが完成し、前節清水戦から2戦9得点だ。リーグ再開後は無傷の3連勝で、J2降格圏から8位に浮上した。

 狙いすました1発が、ゴールラッシュの号砲になった。前半14分。左寄りのミドルレンジから、宇佐美が強引にシュートを放った。1度はGKにはじかれたボールが、ゴールに吸い込まれていく。貴重な先制弾。同点に追いつかれた直後の同26分にも、遠藤のFKのこぼれ球を頭で押し込んだ。今季初の2発。これで勢いに乗り2トップを組むパトリックまで2発、阿部が1発。23日清水戦から2戦計9得点で再開後3連勝だ。

 「(1点目は)コースが見えていましたし、イメージが浮かんだ。持ち味を出したいと思っていたし、あれを決めれば楽になる」

 W杯を目指しながら、宇佐美は左腓骨(ひこつ)筋腱(けん)手術の大ケガで序盤戦を棒に振った。4月下旬に戦列に戻ると、5月6日徳島戦から先発した6試合は5勝1敗。しかも神戸には、J2だった昨年7月20日の対戦でも2得点を挙げる好相性ぶりだ。それでも「神戸キラーとか、やめてくださいね。そういうの。いつか止まるから」と苦笑した。

 Bミュンヘンに在籍するなど、欧州移籍を経験しながらもまだ22歳。18年W杯ロシア大会は、最も脂の乗った26歳で迎える。「1人でやっている訳ではない。チームに変化を与えられればいい」と謙虚さも芽生えてきた。今夏に加入し、2戦連発の相棒パトリックも「点を取ることで信頼が生まれるし、自信も出てくる」と頼もしい。長谷川監督は「攻撃陣に元気が出てきた」とにんまり。一時はJ2降格圏にいながら、一気に8位浮上。G大阪が、夏の主役に躍り出てきた。【益子浩一】