清水のMF本田拓也(29)が、古巣撃破に燃えている。今日23日のホーム鹿島戦に向け、22日には静岡市内で約1時間の非公開調整。20日の天皇杯3回戦(J2札幌戦)では、右足首を痛めて後半40分に交代したが「大丈夫」と、きっぱり。ボランチでの先発が確実な一戦に向けて自らゴーサインを出して静かに闘志を燃やした。

 チームは08年から日本平で鹿島に6戦負けなし(4勝2分け)。この相性抜群のカードは、本田自身にとっても6年前に決勝点となるプロ初得点を決めた、思い入れのある組み合わせとなる。当時を思い出しながら本田は「はっきり覚えている。イメージは悪くない」と、鹿島戦に集中している姿勢をみせた。

 昨夏の清水復帰から約1年が経過した。今季は序盤戦から思うようにコンディションが上がらず、14節までの出場は、わずか4試合にとどまった。それでも、J中断期間中の御殿場キャンプをきっかけに定位置を再び奪取すると、大榎克己監督(49)の就任後も全3試合にスタメン出場。完全復活への手応えをつかみつつあるタイミングでの鹿島戦に「チームも変わってきているし、個人的にもどれだけできるか楽しみ」と、余裕の笑みをみせた。

 今季、鹿島とは公式戦で2度対戦しているが、いずれもアウェーで敗れた。本田は「やっぱり特別な思いのあるチームには負けたくない。内容も大事だけど、連敗はできない。ここで勝てれば自信にもなるだろうし、結果にこだわっていきたい」と、頼もしい言葉を並べた。2戦ぶりの勝利に向け、ピッチのど真ん中でかじを取る。【前田和哉】