J2磐田DF桜内渚(25)が、5日のアウェー岡山戦で“第2の故郷”に錦を飾る。大阪生まれの桜内は岡山・作陽高出身。5歳年上の兄光太さんも作陽高から同志社大を経て、現在は岡山のスタッフとしてクラブに携わる。縁が深い地での試合に「出場できたら、得点より0で抑えることを意識したい。少しでも成長している姿を見せられたら」と話した。

 兄は高校県選抜入りし、国体でも主将を務めたが「自分はただ走れてヘディングが強いだけで足元の技術もなかった。当時の先輩からは、お前がプロかと言われます」。プロ3年目の今年は11試合に出場し、前節では初ゴールも決めた。天皇杯・奈良クラブ戦では、作陽の先輩の相手チームスタッフが「チームのために上下運動をしてるな」とほめてくれたという。「当時、一緒にプレーしていた先輩に言われたら、ちょっとは成長できているのかなと。まだ力不足。もっとそう言われるように頑張らないと」。

 次節の会場(カンスタ)は高校選手権で戦った場所だ。高3の決勝はPKで「自分と自分の次のキッカーも外してたけど、GKが3本連続で止めて逆転して全国を決めた。自分はカンスタでは1度も負けてないんです」と笑う。桜内が攻守で成長した姿を思い出の地で発揮する。【岩田千代巳】