J2札幌のバルバリッチ新監督(52)が4日に来日することが2日、決まった。札幌・宮の沢での5日の午前練習を視察し、同日午後からクラブ事務所で会見を行う。スタンド観戦する6日の長崎戦(札幌ドーム)では、チームづくりのベースとなる選手データ“バルバリスト”を作成し、初采配となる14日岐阜戦に向けた下準備を整える。

 ムード、選手の特長から気候まで入念にチェックし、新体制移行を図る。バルバリッチ新監督が4日に来日することが決まった。当日は関係者とのあいさつを済ませ、5日の札幌・宮の沢での練習前に、選手と対面することになる。クラブ関係者は「6日の長崎戦までは練習、試合ともに名塚コーチが指揮を執ることになる」と話しており、5日はまず、練習の雰囲気を客観的に観察するのが狙いになる。

 6日の長崎戦から、本格的な“バルバリスト”作成が開始される。三上GMは「監督は、まだどういう選手がいるのか具体的には分からない部分もあるので、長崎戦は、主に選手の動きを確認し把握する時間になる」と話した。実際に公式戦でのプレーをみながらリストをつくっていくのが、スタンド観戦の主な目的。就労ビザ取得が済んでいないため、スカウティング用の無線を用いた“遠隔指示”はしないが、気づいた点をハーフタイムに助言としてクラブ関係者を通じて伝える可能性はある。

 指導開始日についてクラブでは「監督来日までは未定」と話した。当初、長崎戦後、7日に疲労回復トレーニング、8、9日をオフ、10日を再始動日にしていたが、同監督からクラブに「気候や環境などを見て、練習日程を考えたい」と伝えられているという。愛媛時代に日本の夏場の暑さを経験しているが、北海道とは若干の差がある。財前体制を踏襲し、試合翌々日をオフにするのか、試合翌日をオフにするのかなどを含め、実際に札幌入り後、暑さなどを考慮しながらクラブスタッフと詰めていく。

 前節は監督不在の中、名塚コーチが臨時で指揮を執り、6試合ぶりの勝利を挙げたが、プレーオフ圏6位との勝ち点差は7と縮まっていない。ここからの連勝こそが、巻き返しの土台となる。勝負は3カ月。期間は少ないだけに、スムーズに新体制にバトンタッチして、J1への道を切り開く。【永野高輔】