右ふくらはぎ痛で離脱していた清水DF広井友信(29)が4日、カムバックした。7日に控える東京との天皇杯4回戦(午後7時、味スタ)に向け、4日に三保グラウンドで行われたチームの調整に合流し、早速、約1時間半のフルメニューを消化してみせた。

 現在、広井が本職とするセンターバック(CB)は手薄な状況にある。DFヤコビッチとDF三浦弦太が各代表の遠征に参加し、加えてMF杉山浩太とDFカルフィン・ヨンアピンも負傷離脱中。チームにとって主力不在の窮地となり、広井の存在がクローズアップされる。今季初スタメンをつかむ大チャンスに、本人も燃えないはずはない。

 広井

 多少の痛みはあるけど十分できる。大榎監督の信頼を勝ち取るには、ピッチで何ができるかしかない。もちろん競争はあるけど、今はそのピッチに立てる可能性が高い。自分にはここしかない。ゆっくり休んでいる場合じゃない。

 昨季はアキレスけん断裂で約6カ月間を棒に振った。再起を誓った今季は、ここまで公式戦7試合に出場。しかし、試合終盤のパワープレー要員としての起用が大半を占めている。広井は「当然、CBで勝負したい気持ちは強い」と目の色を変えた。

 8月30日の鳥栖戦では、リーグ初先発の三浦が90分間フル出場。若手の台頭にも危機感を感じている。「うれしい半面、やっぱり悔しさもあった。自分も負けてはいけないと思ったし、弦太には本当にパワーをもらった」。東京戦まで残り2日。まずは、全力でアピールの場に立つ権利を奪いにいく。【前田和哉】