“弱腰DF”にカツ!

 J2札幌のバルバリッチ監督(52)が12日、札幌・宮の沢での戦術練習中、消極的な1対1の対応とラインコントロールに激怒した。「1歩出なさい」「クリアしたら、すぐにラインを上げなさい」と強い口調で指示。前日11日は攻撃の基本的な規律を導入したが、この日は“バル流DF”の鉄則をチームに植え付ける作業を開始した。

 指揮官は戦術練習中、突如、笛を吹いてプレーを止めると、マークの距離の遠さを指摘。選手の前で左手を右手で何度もバチンバチンとたたき「球際が緩い。もっと厳しく」とゲキを飛ばした。さらにDF陣の背後に仁王立ち。クリア後、同じ位置にとどまるDFラインに「早く(ラインを)上げなさい」と両手を振り回し、鼓舞し続けた。

 観戦した長崎戦は、リードしながら後半、一方的に攻め込まれた。分析した指揮官は「札幌の選手は、先にボールを触られると、1歩下がってしまう。それでは相手を楽にする。前に出なければいけない」と消極的マークを課題に挙げた。押し込まれると下がり続けるDFラインの悪癖改善には、前線との距離を35~40メートルとコンパクトに保つよう指示。攻撃だけでなく、守備でも前に踏み出す意識を徹底し、強固な組織に進化させる。【永野高輔】