<J1:清水0-3G大阪>◇第25節◇23日◇アイスタ

 G大阪のエースFW宇佐美貴史(22)が、不敗神話を守った。前半21分だ。右から左へと流れながら佐藤とワンツー。棒立ちになっている相手DFをあざ笑うかのように、軽やかなステップで、最後はグラウンダーの股抜きシュートを決めた。

 リーグ通算8点目。この先制点を足がかりに、敵地で清水に完勝。ナビスコ杯、天皇杯を含めれば今季得点した試合は無傷の10勝2分けだ。

 「左足で決めたのは自信になる。いい感じですね。海外の選手は股抜きで決める。シュートの瞬間に(DFが)股を閉めたらニアサイドに決めればいい。試行錯誤しながらやっている」

 天才肌だが、感性で動くわけではない。どちらかといえば頭脳派だ。視線を外しても、脳裏にはゴール枠とDFの位置がインプットされている。

 さらに「試合開始10~15分で足が速いか遅いか、ボール扱いはどうか、相手の特徴はしっかり把握するようにしている」という。

 代表復帰を目標にするからこそ、反省も忘れない。公式上は気温25・4度。だが、体感温度は真夏のように30度を超えた。ピッチも夏芝から冬芝へ変わる時期で、足元が重く、後半は運動量が激減した。

 チームは02年以来、12年ぶりの4戦連続の完封勝利。不敗神話のエースが得点を決め続ければ、優勝争いも現実的になる。【益子浩一】

 ▼連続試合完封勝利

 G大阪がJ1リーグ戦で4試合連続完封勝ち。02年第2ステージ8~11節にマークしたクラブ記録に並んだ。02年のときは4連勝目が延長戦での勝利で、今回のように90分試合で4試合連続完封勝ちはクラブ初。