J2札幌のバルバリッチ監督(52)が、マルチポジション制でチームに競争意識を植え付ける。「今まで(本人が)やったことのないポジションでも、私が能力があると思ったら、違った位置で起用していくことになる」と明言した。

 采配初戦だった14日の岐阜戦では、後半途中にDFパウロンが退場すると、即座に右サイドバックのDF上原慎を公式戦初のセンターバックに移動。23日の岡山戦ではMF河合を2年ぶりの3バック中央で先発させると、途中出場のDF薗田にもボランチを初体験させた。岐阜戦では引き分けだったが、岡山戦は勝利。「これからもこうした起用をしていきたい」と念を押した。

 勝ち点5差に迫ったプレーオフ圏内進出へのキーワードは、ポジション争いも含めた“競争”だ。24日、札幌・宮の沢での練習は、主力組が試合翌日のため軽いメニューで終える一方、控え組は実戦形式。指揮官は何度も大声で「もっと速く」と、厳しくスピードを求めた。「昨日(岡山戦)はいい試合ができて結果が出たがそれを続けなければ意味がない」。28日のアウェー松本戦に向けて闘志をたぎらせた。【中島洋尚】