仙台育英(宮城)サッカー部のDF熊谷駿(3年)が26日、甲府と仮契約を結び、宮城・多賀城市内の同校で発表した。身長190センチの大型センターバック(CB)で、1月下旬に甲府の静岡・御殿場1次キャンプなどに参加。来季の補強ポイントをCBとしていた甲府が、6月にオファーを出していた。

 熊谷は仙台育英・城福敬監督(57)の弟が甲府の城福浩監督(53)という縁もあり、昨年12月にも練習に参加。特に御殿場キャンプでは武器の高さに加え、佐久間悟GM(51)らスタッフから「ボールをつなぐ能力が高い。攻撃的なパスを配球できる選手」と評価された。プロに交じったキャンプ10日間を、ケガなく乗り切るタフさも見せた熊谷も「選手たちが温かく迎えてくれた」と好印象を持ち、甲府入りを決断した。

 仙台育英から直接、Jリーガーになるのは05年川崎Fに入団した大久保将人以来。「甲府からいずれは海外に。日の丸をつけてW杯に出て優勝したい」と熊谷の目標は大きい。25日に全国選手権宮城県予選の初戦(2回戦)を迎え、2年ぶりの全国切符を狙う。「チームも個人の目標も日本一」と、大きな手土産を持ってプロの第1歩をスタートさせるつもりだ。【久野朗】

 ◆熊谷駿(くまがい・しゅん)1996年(平8)8月7日、仙台市生まれ。大沢小1年からサッカーを始め、3年の時にベガルタ仙台ジュニアへ。大沢中では仙台ジュニアユースに所属。高校サッカーでの勝負を望み仙台育英に進学。1年からDFのレギュラー。1年冬の全国選手権、2年夏の全国総体出場。今夏の全国総体は16強入り。目標の選手はバルセロナのスペイン代表DFジェラール・ピケ。190センチ、84キロ。利き足は右。家族は両親と姉2人。