名波浩新監督(41)が初勝利を挙げたJ2磐田は9月30日、次節のアウェー大分戦に向けて、ヤマハスタジアムで調整を行った。水戸戦の惨敗ショックを勝利で払拭(ふっしょく)し、名波監督は「勝ち続けることでずっと笑っていられる」と選手に語りかけた。

 モチベーション術だけでなく、円滑なコミュニケーションの意識付けも名波流だ。根底には、順大2年のころ、必修授業で出会って興味を持った心理学がある。この日の練習後の円陣では「言葉遣いには気を付けよう」と投げかけた。「ディスカッションしていく上で、次の日の試合や練習に影響しない対人関係は、プロアスリートだけでなく人としてやらなくてはいけない」と説明する。

 今季は(1)攻守の切り替え(2)セカンドボールの予測(3)コミュニケーション(4)シュートを打つ、の4点を徹底させるつもりだ。常に「どういう言葉が響くか」を考えており、愛媛戦では15本のシュートを放ち結果に直結させた。DF藤田義明(31)は「監督の言葉にはすごく説得力がある」と話し「練習で激しく言ったりするけど、お互いがギスギスせず次につなげられるよう、疑問点があったら持ち越すなと。チームなので、解決しないといけない」と受け止めている。新指揮官は選手の心も、しっかりとつかんでいる。【岩田千代巳】