韓国・仁川アジア大会日本代表のJ2磐田GK牲川(にえかわ)歩見(20)が1日、ヤマハスタジアムで行われたチーム練習に合流し、再び日の丸を背負うことを誓った。同大会では4試合に出場し、韓国戦ではPKを決められベスト8で終えた。「国際大会の雰囲気を味わえたこと、韓国の完全アウェーでやれたことはいい経験になった」。

 サッカー以外でも、選手村のエレベーターが故障し22階まで階段を使うアウェーの洗礼も体験した。「練習後と、試合前で階段を使ったことがきつかった」と苦笑い。初戦はハイボール処理のミスで失点し「あの1失点はいらなかった。あそこでミスしなかったら、2戦目のイラクでも違う形のゲーム運びになったかもしれない。あの場面のミスは自分の悪いところ。直さないと」と将来への肥やしにするつもりだ。

 大会期間中、指揮官が名波浩監督(41)へと交代した。新指揮官のトレーニングに「大事な基礎はもちろん、的確に集中して隙がない練習をしていると感じた。自分は合流が遅れている分、1日1日大事にチーム戦術を理解できるようにしたい」と話す。

 今大会で5試合出場すればA契約の条件を満たした。「(リーグ戦の)ネパール戦に出ていれば…とは思ったけど、過去を後悔しても仕方ない。前を向いて精進します」。目標のリオ五輪に向け「代表の日の丸を背負いたいし、次はしっかり結果につなげたい」。たくましくなった20歳が悔しさをバネに前進する。【岩田千代巳】