<データが語るJリーグ>

 G大阪MF遠藤保仁(34)の右足がさえている。1-0で勝利した18日の川崎F戦。右からのCKでDF米倉のヘディングゴールを演出し、今季10アシスト目をマークした。同ランク首位の浦和MF柏木(11回)と1差に迫り、06年、10年に次いで自身3度目のアシスト王を視界にとらえた。

 J1通算のアシストは121回目。MFビスマルク(鹿島など)の110回を抑えて歴代トップを独走する。CKでのアシストに限っても最多の37回目。そのCKの位置は右22回、左15回で、今回の決勝アシストのように右CKの方が、ゴールに直結するケースが多いというデータが残る。

 右利きの遠藤の右CKは、カーブが掛かり、ゴールから離れながら落ちる軌道を描く。GKはそうしたボールには飛び出しにくい。さらにゴール前の味方は、ボールが自分に向かって落ちてくるからミートしやすい。上背のそれほどない選手でも、ピンポイントで合わすことができれば、その反動で強い弾道のシュートに生まれ変わる。結果、決定力も高まる。身長176センチの米倉が決めたヘディングはその典型だ。

 高性能の右CKで決勝点を奪い、チームは首位の浦和と勝ち点4差に迫った。リーグ戦は残り6試合。アシスト王争いで現在首位に立つ浦和の柏木を抜いたとき、チームの順位も最終的に逆転しているかもしれない。【石川秀和】◆今季アシストランク(1)柏木陽介(浦和)11(2)遠藤保仁(G大阪)10(3)中村憲剛(川崎F)9(4)ダビ(鹿島)8(5)宇佐美貴史(G大阪)7(6)太田宏介(東京)6(6)遠藤康(鹿島)6(6)中村俊輔(横浜)6(6)ペドロ・ジュニオール(神戸)6(6)レアンドロ(柏)6(6)家長昭博(大宮)6

 ※ニッカン基準による