<J1:川崎F2-0鳥栖>◇第29節◇22日◇等々力

 “おなかぺこぺこ”の日本代表FW小林悠(27)が、川崎Fを勝利に導いた。1-0の後半18分。右サイドでMF大島からパスを受けると、フェイントでDFの足を止めさせてシュートコースを確保。「すごくいいボールが来た。メッセージを感じた。コースが見えたので、思い切って打とうと思った」。右足を振り、ゴール左隅に決めた。

 8月16日のC大阪戦で2得点し、MF中村から「おなかすいてるね~」と言われた。今季自己最長ブランク、6試合ぶりの11得点目に「ぺこぺこですね」と表情を緩めた。

 世界から学んだ。日本代表として、14日のブラジル戦に先発出場。ネイマール1人に4点を奪われた。「差を感じた。でも、成長につながる試合。ブラジルから点を取ったら、人生が変わったかもしれないぐらい」。意識が大きく変わり、FWとしての責任感が芽生えた。前日練習では、シュートを外すと「アー!」と絶叫。並々ならぬ集中力でゴールへの感覚を研いできた。

 視察した日本代表アギーレ監督の前では、9月13日の徳島戦から2戦連発。「いいゴールでしたね」と問われた指揮官は「その通り!」とご満悦だ。FW大久保も「代表に行ったことで、そりゃテンションが変わる。ボールも持てるし、いいね」と褒めた。チームにとっても4試合ぶりの勝利で、3位に浮上。「残り5試合、何が起こるか分からない。それだけを信じてやっていきたい」と小林。逆転優勝へ、まだ諦めない。【桑原亮】