浦和は27日、FW興梠慎三(28)が右腓骨(ひこつ)骨折と診断されたと発表した。26日の鹿島戦の終盤に負傷した。クラブは今季中の復帰を目指すとしたが、8年ぶりのリーグ優勝に向けてエースストライカーの離脱は痛い。今季リーグ30試合12得点の活躍でアギーレジャパンにリストアップされ、11月の国際親善試合2試合に招集される可能性が出ていたが、今回の負傷で選出は事実上不可能となった。

 浦和のエース興梠に下された診断は最悪のものだった。「右腓骨骨折」。クラブによると全治は不明で、今季中の復帰を目指すとしているが、リーグ戦の次節、11月3日の横浜戦(日産)の出場は不可能となり、8年ぶりのリーグ優勝への天王山と言える、同22日のG大阪戦(埼玉ス)の出場も厳しくなった。

 興梠は26日の鹿島戦の終盤に鹿島DF西と激しく接触した。立ち上がれず、右のすね付近を手で押さえてピッチに倒れ込んだ。ピッチに入って様子を確認した浦和のチームドクターが、すぐにベンチに向かって手で「×」印を出し、そのまま担架でピッチ外に運び出され、後半41分にMF鈴木と交代していた。

 試合後の取材エリアでは、足首からすねまでテーピングした右足を引きずって歩き、「めっちゃ痛い。すねなのか、ふくらはぎかも分からない。立っているだけでも痛い」と軽傷ではないことを示唆していた。一夜明けて埼玉県内の病院で検査を受けて「右腓骨骨折」が判明した。

 今季好調の興梠は、アギーレジャパンにリストアップされ、26日の鹿島戦には日本代表アギーレ監督が視察に訪れた。ゴールは奪えなかったが、DFを背負いながらボールをキープするなど攻撃を引っ張った。前線からボールを追い回すなど守備面でも献身的な動きを見せるなど、持ち味は随所に見せた。しかし、この負傷で、11月の日本代表戦での3年5カ月ぶりの代表復帰は事実上消滅した。

 何より浦和にとっては痛すぎる戦線離脱となった。ここまでリーグ全30試合に先発し、チーム最多の12得点をマーク。日本代表GK西川に匹敵する貢献度で、代えの利かない存在だ。2位G大阪とは勝ち点3差。攻撃の柱を失い、残り4試合を迎える。【高橋悟史】