G大阪のFW宇佐美貴史(22)が、自身初タイトルに挑む。広島と決勝戦(8日、埼玉)を戦うナビスコ杯のニューヒーロー賞に選出され、10月31日に大阪・万博練習場で会見した。リーグ、天皇杯を含む3冠を視界にとらえており「自分への挑戦。点を取って勝てれば印象に残る大会になる。勝たないと意味がない」と気合十分だ。

 これまでタイトルとは無縁だった。プロ1年目の09年にチームは天皇杯を制しながら、ベンチ入りすらできなかった。Bミュンヘン時代の12年には欧州チャンピオンズリーグ決勝戦で日本人初ベンチ入りも出番なし。チームもPK戦で敗れた。プロ入り後、唯一の主要タイトルが昨季J2優勝。「ガンバでもドイツでも、タイトルがかかった試合をスタンドやベンチで見てきた。大一番の難しさは肌で感じている」。広島との決勝は悔しさを払拭(ふっしょく)する舞台でもある。

 今大会は6戦5発の決定力を評価され、ニューヒーロー賞に輝いた。村井チェアマンは「満場一致での選出」と説明し、賞金50万円とナビスコ社製品1年分も獲得。宇佐美は「みんなに(賞金を)よこせと恐喝されました」と冗談を飛ばしながら、使い道については「僕が持ってきたお金は僕の懐には入らない。貯蓄です」と堅実な一面ものぞかせた。まずはナビスコを制し、首位浦和に勝ち点3差の2位に迫るリーグ戦での大逆転Vにつなげる。【益子浩一】