G大阪の日本代表DF今野泰幸(31)は21日、大阪・吹田市内で非公開練習を終え、今日22日の首位浦和との大一番へ「先制点」を勝利のカギに挙げた。日本代表で臨んだ18日オーストラリア戦でも、今野が値千金の先制ゴールを決めて勝利に貢献。2位G大阪が勝てば逆転優勝、今季3冠への可能性が広がるが、負ければ浦和の優勝が決まる。代表戦などで3週間中断していたJ1は、残り3戦という大詰めを迎える。

 絶対に負けられない大一番のカギは「先制点」だ。18日の日本-オーストラリア戦で先制弾を決めた今野は「先制点を僕らが取れれば、相手は焦って攻めに回って、僕らは守りながらカウンターを狙うことが出来る。逆に取られたら、浦和がもっと守備に人数をかけられるので、難しい試合になる」と分析した。

 8日ナビスコ杯決勝では広島に逆転勝利し、07年ぶり2度目の優勝。26日には天皇杯準決勝清水戦が控える。強行日程だが今季3冠を実現するためにも、勝利しか頭にない。長谷川監督も「全ては浦和に勝つため。一戦集中。勝てば流れは変わる」と言う。まずは、目の前の浦和戦に全力を注ぐ考えだ。

 12年にJ2降格というどん底を経験しながら、復帰1年目の今季は優勝争いを演じている。見据えるのは05年以来9年ぶりのリーグ制覇。首位浦和とは現在勝ち点差5。勝てば残り2戦で勝ち点差2となるが、負ければ目の前で浦和の優勝が決まる。

 浦和優位の状況ではあるが、今野は「Jリーグをおもしろくするためにも勝って、優勝を分からなくしたい」と語気を強めた。日本代表MF遠藤も「勝ち点3を取れるように、持っているものを全て出す。勝って楽しみたい」。どん底からはい上がったG大阪が、逆境をはねのけ、今季2冠目をグッとたぐり寄せる。【鈴木絢子】