<J2:讃岐0-1千葉>◇最終節◇23日◇丸亀

 4位千葉が、元日本代表FW森本貴幸(26)が救急搬送されるアクシデントを乗り越えて3位に食い込んだ。頭部強打で一時意識不明となり交代したが、チームは讃岐に1-0で勝利。勝ち点68とし、札幌と1-1で引き分け同67止まりの磐田を抜いた。5位北九州がJ1ライセンスを持たないため、昇格争いは3クラブに絞られ、30日の昇格プレーオフ準決勝は4位磐田-6位山形(ヤマハ)に決定。勝者が12月7日の決勝(味スタ)で千葉と戦う。

 千葉FW森本が倒れたのは前半28分だった。味方ゴールキックを讃岐DF藤井航と競り合った際、後頭部を打って顔面からピッチにたたきつけられた。センターサークル付近で動かなくなり、選手が駆け寄ると意識を失っていた。スタッフの処置を受けてようやく目が開き、指先が動いた。両軍の応援席から森本コールが起こる中、頭部を固定され、芝の上に呼び入れた救急車で丸亀市内の病院に搬送される異常事態となった。

 試合は約25分間の中断後に再開。森本に代わって出場したFWケンペス(32)が前半ロスタイム1分に決勝点を奪い、森本の背番号11を指で表現して回復を祈った。森本の意志が乗り移ったかのような劇的な展開で、千葉が3年連続3度目の昇格プレーオフ進出を決めた。

 千葉関係者によると、森本は検査で軽い脳振とうと診断され、試合終了前には会場へ戻った。「ぶつかった時の記憶はない」と話しているが意識ははっきりしており、チームと一緒に空路で千葉へ戻った。念のため2、3日は安静にする。