<J2:山形1-2東京V>◇最終節◇23日◇NDスタ

 山形が初のプレーオフ(PO)進出をかろうじて決めた。東京Vに敗れたが、7位大分も敗れたため、今季18勝10分け14敗の勝ち点64で6位が確定。残り1枚の昇格切符を争うPO準決勝(30日)では4位磐田とのアウェー対決が決まった。天皇杯準決勝(千葉戦)を26日に控えるチームは、さらに中3日の強行軍でJ1復帰を目指す。

 山形は、今季最高の1万3344人が観戦した最終節ホームを白星で飾ることができなかった。6年ぶりの最終戦白星も、今季初の4連勝もならず。PO進出は大分の黒星により、かろうじて決まった。だが石崎信弘監督(56)は「(POは)今日だけではなく、1年間やってきた結果。選手の頑張りとサポーターの応援に感謝したい。次に進めるのでしっかりと結果を出したい」と前を向いた。

 開始9分、中盤でパスカットされ、一瞬の隙を突かれて失点。その2分後、FW川西の同点シュートで一時は息を吹き返した。シュート数は相手を9本上回る計16本。好機は数多く作るも、ゴールにはつながらない。逆に後半42分、相手に決勝弾を許し力尽きた。ミス絡みの失点に決定力不足という今季を象徴する展開に、石崎監督は「局面での判断力。まだやらなければならないことはたくさんある」と課題を掲げた。

 だが、敗戦の中でつかんだPO切符は必ず生かす。前線からのプレス、攻守の速い切り替えと目指すサッカーは機能しつつある。26日の天皇杯準決勝をはさみ、30日には磐田とPO準決勝を戦う。少ない時間で修正できることは限られるが、石崎監督は「体力回復と気持ちの切り替えだけ」。FW山崎主将も「次のステージに行けるチャンスをもらったので、すべての精度と質を上げて勝ちたい」と沈んだムードはない。悲願のJ1再昇格へあと2勝。石崎山形が集大成を見せる。【佐々木雄高】