G大阪が、過密日程を乗り越えて優勝に“ダブル王手”をかける。今日26日の天皇杯・準決勝清水戦(味スタ)に向け、25日は大阪・万博練習場での非公開調整後に都内へ移動した。清水に勝てば決勝進出。その後、中2日で迎えるリーグ神戸戦(29日、万博)にも勝てば、首位浦和次第でJ1制覇にも王手となる。勝負の2連戦はベスト布陣が確実。主力組にムチを打って、3冠を手中にする。

 疲れた体にムチ打って、G大阪が優勝へ“ダブル王手”をかける。雨の中行われた非公開調整で、長谷川監督は34歳のベテランMF遠藤に声をかけた。日本代表勢は8日のナビスコ杯決勝広島戦から代表戦を含め、29日のリーグ神戸戦まで約3週間で6試合の過密日程。特に清水戦後は、移動を含めた中2日でリーグ神戸戦を控える。状態を心配した同監督が「いけるか?」と尋ねると、遠藤は「大丈夫です」と即答した。

 3冠へ、主力組にフル稼働させる。遠藤との対話で腹を固めた長谷川監督は「今週が一番きつい」としながらも「この前の18人と1人も変わらず、全員連れて行きます。勝つための選手を選んだ」と説明。浦和との直接対決(22日)と同じ遠征メンバーで東京へ移動した。J1残留争いに全力を注ぐため、控え組で来ることが予想される清水とは対照的だ。

 その期待に応えようと、選手の目の色も変わった。遠藤と同様、代表合宿から連戦が続くMF今野は「自分の体を信じる。勝つことが1番の薬になる」。公式戦7戦不発のエース宇佐美も「意識をしなくても今週がどれだけ大事かは分かっている。FWとしての価値は得点しかない」と闘志を燃やした。リーグ戦は残り2戦で首位浦和に勝ち点2差の2位。天皇杯で清水を破り、リーグ戦でも神戸に勝てば浦和の結果次第で、00年度鹿島以来Jリーグ史上2クラブ目の3冠への道が開ける。気力を振り絞って、頂点まで駆け上がる。【益子浩一】