豊田対策に不安あり!?

 首位浦和は4位鳥栖(29日、ベアスタ)と対戦する。27日の練習では鳥栖のエース、トヨグバこと豊田陽平(29)に見立てた、浦和のトヨグバFW阪野「豊」史(24)に豪快なヘッドを決められるなど不安を残した。しかし、DF森脇良太(28)は「本番でやられるわけにはいかない」と強気の姿勢を崩さない。事前に露呈した不安点を一掃し、浦和はアウェーに乗り込む。

 仮想トヨグバに好き放題やられた。体を張られ、決定機を作られ、頭でたたき込まれた。「浦和のトヨグバ」阪野豊史に豪快なゴールを決められ、見守ったサポーターがざわつくほどだった。185センチ、79キロの本家に対し、こちらは181センチ、76キロ。今季のリーグ戦出場なしの阪野にやられ、やや不安は残した。

 寄せきれずにやられたDF森脇は「浦和のトヨグバにやられて、鳥栖の本物のトヨグバにまで、ダブルでやられるわけにはいかないでしょ」と不安を振り払うように力を込めた。「僕自身、ヘッドが強いわけじゃないので、球際とかでアグレッシブにいきたい。食うか食われるかの戦いになる」。練習でやられて、改めてイメージは出来た。本番の前にしっかりとうみを出し切り、決戦に向かう準備は整った。

 アウェー鳥栖は鬼門中の鬼門だ。昨季33節は豊田のハットトリックなどで1●4。優勝の可能性が完全についえた地だった。12年も33節に対戦し豊田に2得点を許し、1●3と大敗が続いている。さらに12年6月のナビスコ杯でも1●2と、相性は悪い。対豊田という意味では今季前半のホームで決められ0●1。優勝への試練といえる相手だ。

 豊田とマッチアップするDF那須大亮(33)は「強気に行くしかない。G大阪戦もパトリックは封じたけど、交代した選手にやられた。豊田だけを意識しすぎずやりたい」と、前節の敗戦も糧にする。敵地での連敗を、勝って止めた時こそ、真の王者の座が近づく。【高橋悟史】