仙台GKシュミット・ダニエル(22)とMF藤村慶太(21)が、今オフにスペインで武者修行することが3日、分かった。期間はシーズン終了後の12月中旬から来年1月中旬までの約1カ月。派遣先はスペイン南東部ムルシアの「ラマンガ・クラブ

 ハイパフォーマンスセンター」で、Jでは初の例となる。

 ベガルタの将来を担う若武者たちが、オフ返上の短期留学でレベルアップを図る。ダニエルと藤村が向かうのは、スペイン南東部のラマンガ。今年3月にはU-23(23歳以下)女子日本代表が出場した国際大会が行われ、7月には全日本大学選抜が強化遠征を実施した。冬場でも気温20度以上と温暖で、キャンプ地として人気が高まっている。

 日本では味わえない貴重な経験を積む。今年11月に「ラマンガ・クラブ

 ハイパフォーマンスセンター」が、新たな育成プロジェクトを立ち上げ。世界各国から集まった選手たちでチームをつくり、専属の監督やコーチの指導を受けながら練習を行う仕組みだ。通例の短期留学や練習参加とは違い、クラブ間での移籍事案などが発生しないのも特徴。いち早く情報をつかんだ仙台の関係者が調査に動き、Jでは初の派遣が決まった。

 最大の魅力は世界屈指の強豪との実戦だ。同時期に欧州各国のクラブや世代別代表チームなどがキャンプで集結するため、練習試合が多く組まれる予定。過去にはドルトムント(ドイツ)の日本代表MF香川や、FW本田もCSKAモスクワ(ロシア)在籍時に施設のグラウンドを利用した。ダニエルと藤村が、スター選手と“対決”する可能性は十分ある。

 ダニエル、藤村とも今季はカップ戦1試合の出場にとどまっている。スタメンの平均年齢がJで最も高い30歳超えの仙台にとって若返りは急務。スペインでの武者修行でたくましさを増し、来季のレギュラー候補に名乗りを上げる。