<J1:神戸1-2川崎F>◇最終節◇6日◇ノエスタ

 川崎FのFW大久保嘉人(32)が、史上初の2年連続単独得点王を確実にした。神戸戦の前半11分にGKがはじいたボールを、後半40分にはPKを、ともに右足で決めて「すごく気持ちよかった」。開始早々に相手と交錯して左手の甲を負傷。「骨折かも。指が(関節と)逆に曲がったから自分で戻した」。後半は包帯をぐるぐる巻きにして登場。気合のフル出場でゴール数を「18」まで伸ばした。積雪で新潟-柏戦が延期されたため暫定とはいえ、実質上、得点王は決まった。

 9月23日の大宮戦でハットトリックを達成した時には「いけるでしょ」と豪語。だが川崎F加入後、最長の7戦無得点。11月の中断中には「得点王になれるかな。プレッシャーはめちゃくちゃある」と不安を漏らした。W杯後は首に熱がたまり、体が重くなった。10月に入ると両太もも裏が肉離れ寸前でテーピングを施した。リーグ、カップ戦、W杯と走り続けて「長かった。忘れられない1年になった」。

 11月にチーム残留を決めた。その理由を「まだ2年しかやっていない。点もたくさん取らせてもらったから。ここで歴史に名を残したい」という。得点王も「単独じゃないと意味がない」と、食事の席でシュートフォームをチェックするほどこだわった。やっと重圧から解放されて「(ガッツポーズを)ダーとかできないです。まあ家に帰ってから。手が痛くてサッカーどころじゃなかった」と照れくさそうに笑った。【益田一弘】