J2山形の伊東俊とロメロ・フランク(ともに27)の青森山田高出身MFコンビが明日13日、G大阪との天皇杯決勝(日産スタジアム)で日本一に貢献する。11日の紅白戦で、両選手は先発組に入り軽快な動きを見せた。ともに05年の全国高校総体優勝メンバー。13日の決勝では、同じく青森山田時代のチームメートで、今季G大阪から期限付き移籍のFW川西翔太(26)が契約上の理由で欠場する。2人は、出場できない仲間の思いも背負って頂点を目指す。

 山形の攻撃的MF2人が天皇杯初制覇を狙う。この日の紅白戦では、フランクがFW川西に代わって2列目(2シャドー)の左で、伊東は累積警告で出場停止のMFボムヨンに代わって左ウイングバックでプレーした。

 フランクと伊東は同年齢だが、青森山田在学時は伊東が1学年上でフランクと川西が同学年。05年の高校総体決勝は4-1で那覇西を下し初優勝に貢献した。当時トップ下で先発のフランクは「また日本一を取りたい」と意欲。1ゴール2アシストと活躍した伊東も「フランクにいいパスを出し、いいボールを受ける回数を増やして頂点に立ちたい」と闘志を燃やした。

 リーグ途中のシステム変更などに伴い、今季フランクはボランチやトップ下、伊東はサイドハーフやウイングバックなど、複数ポジションをこなしてきた。石崎監督は「どちらも攻撃的な選手で、フランクはトップ下で彼の良さが発揮できる。伊東はテクニックとスピードが素晴らしい。今回はサイドで生かしてほしい」と期待している。

 今季のチームは、当初サブ組で勝ち上がった天皇杯の勢いを持続させてJ1復帰を勝ち取ったといっても過言ではない。戦術や状況変化で、ほとんどの選手が浮き沈みを経験。サブ組の悔しさも体験した。明日13日の決勝はプレーオフ決勝同様、チーム全員がスタジアム入りする。伊東は「チーム全員で勝ち上がってきた。全員の気持ちを背負って戦いたい」と力を込めた。【佐々木雄高】