仙台を今季限りで契約満了となったFW中原貴之(30)が11日、合同トライアウト(16日、瑞穂陸)への参加を明言した。4日に通達を受けた直後は「覚悟してた部分はあったけど、つらかった。クラブハウスに来なくなって初めて実感するんだと思う」と複雑な心境を口にしたが、オフ明けだったこの日も全体練習に参加。現時点で他クラブからオファーはないというが「(3度手術した)右膝とは付き合っていくしかない。まだ全然やれるので(トライアウトに)行きます」と決意を固めた。

 サポーターの思いを受け止めて再出発する。6日の最終節アウェー広島戦はベンチを外れたが、応援席には横断幕が掲げられ、応援歌も響き渡った。仲間から伝え聞いたという中原は「できれば現地にいたかった。そんなに結果を残したわけじゃないのに、11年も仙台にいられたことの重みを感じた」。今季は公式戦無得点に終わったが、記録よりも記憶に残るゴールを決めてきた背番号9が再起への第1歩を踏み出す。【鹿野雄太】