来季J2に降格するC大阪は16日、新監督にブラジル人で06年に鹿島を率いたパウロ・アウトゥオリ氏(58)が就任したと発表した。大熊清強化部長がブラジルに渡り、直接交渉にあたっていた。契約は15年2月2日から16年1月1日までで、コーチについては未定。来日は始動を予定する来年1月20日前後の見込み。

 新監督は、クラブを通して「J2での戦いを通して名門再建を図るためには、選手、スタッフがハードでかつ質の高い練習を積み重ねていかなければならない」とコメントした。

 05年にはサンパウロ(ブラジル)を率いてクラブW杯も制した名将へのオファーは、ブラジルや中東のクラブなどと競合。再来日を決断した理由として「育てながら勝つビジョンに共感してもらえたと思う」と大熊強化部長は説明した。鹿島時代には高卒のDF内田を開幕先発に抜てきするなど、若手を積極的に起用してきた。

 C大阪は今季2度の監督交代で迷走。主力の大量流出も予想される中、来季構想について大熊氏は「監督からリクエストはない」と話すが、他クラブからオファーがあればFWフォルランが放出される可能性は高い。1年でのJ1復帰に向け、熱血監督の下、戦力を立て直す。【小杉舞】

 ◆パウロ・アウトゥオリ

 1956年8月25日、ブラジル・リオデジャネイロ生まれ。指導者人生を91年から始め、05年にはサンパウロを率いてクラブW杯優勝。翌06年に鹿島の監督に就任したが、タイトル獲得ならず。今季はアトレチコ・ミネイロ(ブラジル)を率いた。