仙台に加入したDF多々良敦斗(27)が19日、泉サッカー場で自主トレを行った。前日18日に、ともに新加入選手会見に出席したDF渡部と笑顔を見せながらランニングするなど約1時間半、汗を流した。「早くチームの輪に溶け込みたい」と明日21日のチーム始動を心待ちにしている。

 「最後まで諦めない守備を見てほしい」。昨季はJ2松本でリーグ26試合に出場し1得点を挙げ、チームのJ1昇格に貢献した。「松本ではスパイクから道具の準備など、全部自分でやってきた。整った環境とはいえない中で戦ったシーズンは難しかったが、力はついたと思う」と振り返る。

 苦労しながらも走りきった1年で「粘り強さ」という財産を手にした。今季は仙台の一員として自身初めてのJ1の舞台に挑む。「常にチャレンジしていく。気持ちのこもったプレーで勝利を目指す」。松本で得た勢いを、ベガルタでも継続していくつもりだ。

 出身の静岡東高の同級生には日本代表DF内田篤人がいる。名前の読みが同じで、今でも連絡を取り合う仲というが「雲の上の存在ですね。チャンスをしっかりつかんでいるのですごいと思う」と、かつてのチームメートの活躍を刺激にする。その一方で「僕は下からはい上がるタイプなので、1段1段上っていきたい。またいつか一緒にやれたらいいなと思います」。仙台の“アツト”は、新天地でも自分らしさを貫き、着実に上を狙っていく。【成田光季】