J2札幌は22日、札幌宮の沢で今季初の全体練習を行い、新加入のMF稲本潤一が移籍後初めて小野伸二(ともに35)と、そろってトレーニングに励んだ。チームメートとして、ともに練習するのは、2人が日本代表だった06年W杯ドイツ大会以来9年ぶり。世界を知るベテランコンビが互いに刺激し合いながら若いチームをけん引する。

 ついにスタートした。ともにW杯3度の経験を誇る小野と稲本が、札幌の選手として1歩、踏み出した。この日は、宮の沢のクラブハウスに集合し、2人並んで45分間、ストレッチや体幹トレーニングに励んだ。

 稲本

 伸二とは久しぶりだけど、そんな感じはなかった。筋トレだけでしたけど、楽しく練習ができた。他のメンバーも全員があいさつにきてくれて。これから伸二や都倉に聞いて、みんなの顔とキャラクターを覚えていきたいね。

 小野

 すごく普通にとけ込んでる雰囲気でしたね。違和感がない。これから、もっと、とけ込めるよう、サポートしていければ。

 同じクラブは初めてだが、中学時代から競い合い、常に連絡を取り合う仲だけに、距離はない。始動前夜も札幌市内で2人でイタリア料理を食べ、気持ちを高めた。

 小野

 イナは肉を食べたいって言ってたんですが(行きつけの店舗の)個室が空いてなかったので、イタリアンにしました。

 稲本

 ここ2日連続で食事に誘ってもらったんですが、どこの店もおいしい。半年で、ここまでいい店を知っているのは、伸二の人柄だなと思いましたね。

 バルバリッチ監督は、かつて指導者用に入手したアーセナルのサーキットトレーニングDVDで見た、稲本の印象を伝えた。

 稲本

 僕の映像を見たと言われたんですが、それは十数年も前のものだし、今の自分のプレーや情報を練習からしっかり、監督に伝えていかないと。

 戦友小野の誘いを受け選んだ新天地の印象は上々。

 稲本

 若いチームで活気がある。さらに上に砂川さんや河合さんが、構えているので、いい雰囲気。

 イナと伸二の初共演は、心地よい緊張感の中で終わった。26日からは舞台を沖縄に移し、よりホットな情報を日々、発信し続けていく。【永野高輔】