G大阪は26日、OBで元日本代表DF宮本恒靖氏(37)がジュニアユースのコーチに就任すると発表した。肩書は中学1年(U-13)専任だが、状況に応じてユースを含めた下部組織全体を担当する。現役時代以来の9年ぶり古巣復帰となり、昨季3冠を獲得したトップチームを下部組織で支えることになる。

 在籍時の宮本氏は、甘いマスクと理知的な言動で“ツネ様”と呼ばれた。主将を歴任し、05年にはクラブ初のJ1優勝。日本代表として02、06年W杯にも出場した。海外クラブや神戸にも在籍し、引退後はJリーグ特任理事に就任、昨年のW杯ブラジル大会も視察するなど見識を深めていた。宮本氏はクラブを通じて「子どもたちがサッカー選手、人間として成長できるよう自身の経験を伝えたい」とコメントした。

 G大阪下部組織は宮本氏を筆頭に稲本、大黒、家長、宇佐美ら日本代表を続々と輩出してきた。「育成のガンバ」と呼ばれた日本屈指の組織の中で、宮本氏は中学1年という基本技術の習得が最も大切な世代を中心に指導する。

 宮本氏のユース時代の監督だった上野山信行取締役は「指導者として、人間として勉強してほしい。コーチによってクラブや選手も成長していける」と相乗効果に期待した。就任は2月の予定で、週3回の練習などはフル参加する。今季S級ライセンスも取得予定で、将来トップコーチ就任の可能性もある。今秋新スタジアムが完成するG大阪は、ハードもソフトも万全で新たな黄金時代を迎える。

 ◆宮本恒靖(みやもと・つねやす)1977年(昭52)2月7日、大阪・富田林市生まれ。G大阪ユースからトップ昇格、同時に同大経済学部入学。主将を歴任し、DFとして05年Jリーグ初優勝に貢献。07年オーストリア1部ザルツブルク、09年神戸移籍、11年末に現役引退。00年シドニー五輪、W杯は02年日韓、06年ドイツ大会出場。国際Aマッチ通算71試合3得点。英語に堪能で引退後は、日本の元プロ選手としてFIFAマスター(スポーツ学の大学院)に初合格し、修了した。Jリーグ特任理事にも就任。176センチ、72キロ。