浦和MF柏木陽介(27)が節分の誓いとして“7冠ずし”を一気食いした。3日に指宿合宿に向け、チームとともに鹿児島入り。移動中、関係者から恵方巻きの代わりに、今季狙えるタイトル数7冠にかけた7貫のすしを準備された。思わず苦笑した柏木だが、急に真顔になると、いわれにならい無言で食べた。

 「今年はどのタイトルとか、どの試合とかいうより、目の前の1試合1試合すべてを大事にしたい」と柏木。リーグタイトルを思わせる大きな恵方巻き1本を食べるより、すべてのタイトルを表すすしを1つ1つ大事に食べる方が、今季に臨む姿勢にあっているというのだ。シャリの1粒1粒まで味わうように、ゆっくり時間をかけて完食した。

 昨年はリーグ優勝が見えてきたあたりから、チームは攻守にアグレッシブな本来のスタイルを見失った。中盤戦までの下位相手の取りこぼしも響き、G大阪に逆転優勝を許した。同じ轍(てつ)を踏まないために、今年は「1試合1試合」と自分にも言い聞かせるように繰り返している。

 今年の恵方、西南西の方角をしっかりと見据え、柏木はすしを食べきった。その方角にはくしくも、今季公式戦初戦、アジアチャンピオンズリーグ水原三星戦の舞台となる韓国がある。【塩畑大輔】