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浦和ワシントン「快傑ゾロ」で強行出場

フェースガードを付けて練習に向かう浦和FWワシントン(撮影・蔦林史峰)
フェースガードを付けて練習に向かう浦和FWワシントン(撮影・蔦林史峰)

 鼻骨を骨折した浦和FWワシントン(32)が「快傑ゾロ」モードで大一番に強行出場する。浦和は今日24日、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第2戦で城南一和(韓国)をホームに迎える。ワシントンは23日、黒のフェースガードを装着し、さいたま市内で行われた最終調整に参加。骨折悪化も覚悟し、体を張ったプレーでACL初ゴールを奪うことを宣言した。日本勢初の決勝進出をもたらすヒーローになる決意でピッチに立つ。

 気分はヒーローになり切っていた。22日に約4時間かけて作製してもらったフェースガードを装着したワシントンは、顔を鏡で見た瞬間に「変身」していた。「(快傑)ゾロだよ、ゾロ」と笑顔でチームメートと合流。「普段より視野は狭いけれど、鼻は安全にしないと出られないからね。慣れるために今日、確かめた。明日は付けて試合したい」。ハンディとなることは間違いないフェースガードだが、逆にワシントンの心は高揚していた。

 強行出場は危険な賭けだ。練習では医師に止められ、ヘディングを封印せざるを得なかった。プレーすることで骨折を悪化させる恐れもあるが、ワシントンの心は折れていない。「点を取って勝つために骨折しなければならないなら骨折する気持ち。思い切りいかないと逆にケガする。だから思い切りいく」。敵DFが患部を狙う〃暗殺指令〃に見舞われても、エースの仕事を全うする姿勢だ。

 快傑ゾロは幼少時代の英雄だった。テレビや映画でヒーロー小説から飛び出した正義の味方に心躍らせていた。「ゾロはヒーローの中でも大好きなヒーロー。昔から見ていた。ゾロになった記念としてフェースガードを(母国ブラジルで経営する)バーに飾りたい」。身も心もゾロに変身し、浦和の敵=城南一和をゴールで倒す覚悟だ。

 Jリーグでは完全復調を見せているエースだが、ACLでは意外にも8戦不発中。親族の問題などで今季限りでの浦和退団へ、気持ちが固まりつつあるからこそ、アジア制覇が最大の花道になる。快傑ゾロの正義のサインは「Z」。快傑ワシのサインは勝利(Win)も意味する「W」。5万人以上のサポーターが詰め掛ける埼玉スタジアムで、ワシントンが正義の剣でW(in)を刻む。【藤中栄二】

[2007年10月24日9時19分 紙面から]

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