開催国でFIFAランク70位のロシアと、同67位でアジア勢として初めて開幕戦の舞台に立ったサウジアラビアの対戦は、地元の大声援に後押しされたロシアが制した。

 記念すべき大会第1号はロシアMFガジンスキーが決めた。前半12分、MFゴロビンのクロスをファーサイドでヘディングでたたき込んだ。

 だが、アクシデントが起きる。ロシアのトップ下、MFジャゴエフが左太ももを痛めて倒れ込み、そのまま前半24分で交代に。ジャゴエフは先制点の起点となるCKを得るシュートを放っていた。

 そのジャゴエフに代わって出たMFチェリシェフが同43分に追加点を挙げる。ペナルティーエリア内でMFゾブニンのパスを受けると、相手DF陣をかわし、左足で蹴り込んだ。

 後半25分に196センチの長身FWジュバを投入すると、1分後には頭でチームの3点目を決めた。後半ロスタイムにも2点を加えるなど勢いは止まらなかった。

 FIFAによると開幕戦の5得点は34年イタリア大会のイタリアが米国戦で挙げた7得点に次ぐ大量得点となった。

 サウジアラビアはボール保有率、パス成功率で上回るも、ゴール前ではロシアの壁に阻まれ、なかなか枠をとらえられなかった。 

 ロシアのFIFAランク70位は出場32チーム中最も低く、親善試合でも昨年10月に韓国に勝って以降7戦未勝利(3分け4敗)。大会前はその出来が不安視されていたが、会場に集まった地元ファンの期待に見事に応えた。旧ソ連時代の66年大会でベスト4入りも、94年以降にロシアとして出たこれまで3度はいずれも1次リーグ敗退。32年ぶりの16強入りへ勢いをつける白星発進となった。