連覇を狙うドイツが初戦でいきなりつまずいた。メキシコに0-1で敗れ、90年イタリア大会から7大会連続で初戦白星を続けてきたが、7連勝でストップした。メキシコがドイツを下すのは85年の親善試合以来、23年ぶり。ワールドカップでは初めてドイツから白星をもぎとった。

 ドイツは膝の負傷が心配された司令塔MFエジル(29=アーセナル)、故障明けの守護神・GKノイアー(32=Bミュンヘン)が先発に名を連ねベスト布陣。序盤はドイツが押し込んだが、メキシコは激しい球際の守備から、FWエルナンデス(30=ウェストハム)、FWロサノ(22=PSV)、FWベラ(29=ロサンゼルスFC)のカウンターでドイツゴールを脅かした。 ドイツはメキシコの個人技とパスワークに後手に回り、徐々に攻めが苦しくなた。クロスを上げても中を固めたメキシコにはね返される。試合が動いたのは前半35分。自陣でボールを奪うと、前線のエルナンデスへ。エルナンデスがベラとのワンツーで抜けだし、左サイドを駆け上がったロサノへ。ロサノがドイツのGKノイアーの牙城を崩し、先制に成功した。

 後半に入ると、ドイツが猛反撃。ボールを保持し敵陣に押し込み続ける。後半44分にはMFブラント(22=レバークーゼン)のシュートはポストにはじかれた。終盤はDFフンメルスも前線に上がり、最後のコーナーキックではノイアーまで前線に上がり勝利への執念を見せたが、得点は奪えなかった。メキシコは歴史的な勝利となり、エースのエルナンデスの目には涙が浮かんでいた。