コロンビア戦で先発濃厚の日本代表MF乾貴士(30=ベティス)が、“スパイク履き替えシステム”で値千金ゴールを狙う。冒頭15分だけ公開練習だった17日、非公開部分で「シュートを外しまくった」という。「またこのスパイク履かん方がいい、と(西野監督から)言われた」と苦笑いした。

 乾は12日のパラグアイ戦の後半に2ゴールを挙げた。決定機を外していた前半終了後、西野監督から「スパイクに何か入っている?」と聞かれ、スパイクを交換するよう助言を受けた。試合翌日には「前半履いていたスパイクはもう履かない。けど一応持っていく」と話していた。この日の練習で乾の「履かないスパイク」は計2足になってしまった。

 だが、問題はない。こんなこともあろうか? と、10足ほどの“相棒”と一緒にロシア入りした。「あまり験を担ぐタイプではない」というが、2ゴールした実績ある1足も懐に忍ばせたまま。コロンビア戦にはシンデレラのようにピタリと合う最強の1足で戦うつもりだ。

 30歳で迎えた初めてのワールドカップ(W杯)。バルセロナ相手に2得点するなど、スペインリーグで結果を残してW杯切符をつかんだ。「今は楽しみでしかない」と、はやる気持ちを抑えるように話した。左MFで先発の可能性が高く「攻撃のイメージはハッキリしている。出たらいいプレーをしたい」。西野ジャパンのキーマンは、運命の相棒を身につけてW杯のピッチに立つ。【小杉舞】

 ◆日本代表23人が履くスパイク 最大勢力はアディダスで香川を筆頭に中村、槙野、植田、酒井高、武藤、宇佐美の7人。次点がナイキで看板の長友から酒井宏、昌子、遠藤、山口に原口で6人。大物が多いのがミズノで本田、岡崎、吉田と大島の4人。プーマは川島、東口、長谷部の3人、アシックスは乾、大迫の2人で、アンブロは柴崎1人だけ。これで計23人。サポートメンバーで同行する浅野はナイキを履く。(日刊スポーツ調べ)