W杯初出場のFIFAランキング55位のパナマが、優勝候補の強豪で同ランキング3位、2大会連続13度目の出場を誇るベルギーに挑んだ。

 立ち上がりはパナマの出方をうかがっていたベルギーは前半6分、右サイドを崩し、左へ展開し走り込んだ2列目のMFカラスコが右足で強烈なシュート。これを皮切りにベルギーが波状攻撃をかけ、前半20分すぎまでに5本のシュートを浴びせ、パナマは防戦一方になる。

 前半は0-0で終了。ソチのフィシト・スタジアムは初出場のパナマボールになると大歓声に包まれ、ロシア大会での1つの特徴となったFIFAランキング上位チームの苦戦を予感させた。今大会は同1位ブラジルが1-1でスイスに引き分け、2位ドイツはメキシコに0-1で敗戦、4位スペインはポルトガルと1-1、5位アルゼンチンも1-1で初出場アイスランドと引き分け。同3位ベルギーとしても、攻め続けて無得点の前半はイヤな展開と言えた。

 後半になるといきなり試合が動く。2分、ペナルティーエリア内でE・アザールが相手DFエスコバルと競り合った後の浮き球をMFメルテンスが右足でボレー。ボールは前半好守を見せていたGKペネドの頭上を鮮やかに越え、ゴール左隅へ決まった。

 1点を追うパナマは9分、DFムリジョがGKクルトワと1対1の絶好機をつかんだが、クルトワのファインセーブでチャンスをフイにした。

 先制した後のベルギーは余裕をもって試合を進めた。後半24分、ボックス内の左サイドからデブルイネが右足アウトフロントで巧みなショートクロスを上げ、ゴール前のルカクがダイビングヘッドで今大会初ゴール。2-0として、30分にもルカクがこの試合2点目を奪い3-0とリードを広げた。

 ベルギーが勝ち点3を奪い、上々のスタートを切った。念願のW杯初出場を果たしたパナマの初戦は敗戦となり、残すイングランド、チュニジア戦に1次リーグ突破とW杯初勝利を懸ける。