サッカー日本代表DF酒井高徳(27=ハンブルガーSV)とGK東口順昭(32=G大阪)が、古巣のJ2アルビレックス新潟が7月1日にデンカビッグスワンスタジアムで開催する、「ミスター・アルビレックス」こと本間勲氏(37=現新潟スクールコーチ)の引退試合に出場できないことをわびるとともに、同氏の引退試合を盛り上げて欲しいとファン、サポーターに呼び掛ける動画を、ワールドカップ決戦の地・ロシアから新潟に送った。日本代表のワールドカップ初戦・コロンビア戦当日の19日、新潟が公式サイトで2人からの動画を公開した。

 酒井高 今回、残念ながら僕たちは、勲さんの引退試合に参加することが、日本代表の大事な試合があるため、できません。

 東口 ファン、サポーターの皆さんで、ミスターアルビレックス・本間勲さんの引退試合を送り出しましょう。

 2人 よろしくお願いします。

 本間氏は新潟県中条町(現胎内市)出身で、千葉・習志野高校を経て00年に当時J2の新潟に加入。03年のJ2優勝とJ1昇格に貢献すると、守備能力の高さを遺憾なく発揮し、不動のボランチとして中盤に君臨。07年にゲームキャプテンとなり、在籍12年の10年にキャプテンとなり「ミスター・アルビレックス」と呼ばれるようになった。15年にJ2の栃木SCに完全移籍も、17年に新潟に完全移籍で再加入し、同11月25日に引退を発表した。

 酒井高は、新潟ユースから08年に高校生やユース所属の選手でもJリーグの試合に出場できる2種登録選手としてトップチームでプレーし、同年11月の天皇杯5回戦・FC東京戦でデビューし、2-3で敗れたがフル出場を果たした。その試合では、本間氏がゲームキャプテンとしてフル出場している。

 東口はガンバ大阪ジュニアユースから福井工業大に進学も、2年時にサッカー部が解散したため、新潟経営大に転入し、08年に大学サッカーの地域別対抗戦「デンソーカップ」で活躍し、新潟の特別指定選手となった。09年に新潟に加入し、同年6月7日のナビスコ杯(現ルヴァン杯)サンフレッチェ広島戦で公式戦デビューを果たした。1-5で大敗したが、この試合でも本間氏は先発しフル出場している。

 酒井高と東口は、ワールドカップ本番を前にした大事な時ながら、自らのプロデビュー時に新潟を引っ張った“恩人”本間氏への恩義を、はるか遠いロシアからにじませた。