デンマークとオーストラリアは1-1で引き分けた。デンマークは1勝1分けで勝ち点4、オーストラリアは今大会初めての勝ち点1を獲得して、互いに1次リーグ突破に望みをつないだ。

 デンマークは守備的MFクビスト(33)が初戦のペルー戦で相手と交錯して肋骨(ろっこつ)を2本骨折。肺にも穴が開いている恐れがあるほどの重傷を負って、チームを離脱した。

 ベテランの中盤の要を失ったが、試合を支配したのは、そのデンマークだった。前半7分、クビストの代わりに起用されたMFシェーネの縦パスを、ワントップのN・ヨルゲンセンがペナルティーエリア内で受けると、引きつけたディフェンスをあざ笑うかのように右足のアウトサイドを使って華麗に後方へ落とした。そこに走り込んだMFエリクセンが、豪快な左ボレーをたたき込んだ。

 だが、なかなかリズムをつかめなかったオーストラリアが息を吹き返したのは何あろう、初戦のフランス戦で“屈した”ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)だった。

 前半36分の右CKで、FWレッキーが頭で合わせた。これが、デンマークFWポールセンの左手に当たったように見えた。1度は「ない」と手を振って流した主審だったが、途中でプレーを止めてビデオを確認。そして、ペナルティーマークを指さした。ポールセンは2試合連続でPKを与えてしまう不名誉となってしまい、おまけに警告も受けて次戦の出場停止が決まった。

 反対にオーストラリアは2試合連続で獲得したPKをMFジェディナクが落ち着いて右に決めて、試合を振り出しに戻した。

 後半、オーストラリアは19歳のFWアーザニを投入して前線を活性化させたが、ワントップを務めていた浦和所属のFWナバウトが古傷の右肩を痛めて負傷交代するアクシデントも。互いに引かずに攻め合ったが、相手の堅い守備網を突き崩すことができなかった。

 1次リーグ最終戦でデンマークはフランスと、オーストラリアはペルーと対戦する。