初戦黒星で後がない韓国(FIFAランク57位)、優勝候補ドイツを破って勢いに乗るメキシコ(同24位)と、対照的な両国が激突し、メキシコが2-1で勝利し決勝トーナメント進出へ前進した。

 最初の好機は前半13分の韓国だった。FW黄がフェイントを織り交ぜたドリブルでエリア内左を突破して折り返す。そこに右サイドバックのDF李が飛び込んだが、惜しくもクリアされた。続いては昨年アジア最優秀選手のFW孫。前半22分にカウンターから1人で抜け出すと、エリア内からシュート。GKに弾かれたところをもう一度蹴りこんだが、惜しくもDFに防がれた。初戦スウェーデン戦ではシュート2本に終わった攻撃陣が、窮地に積極性をみせた。

 試合が動いたのは前半26分だった。FWエルナンデスがMFグアルダードにつないで左サイド深くからクロス。これにJ1東京のDF張がスライディングでカットに入ると、ボールが手に当たりPK判定となった。FWベラが落ち着いて蹴りこんで先制点を奪った。前半はこのまま0-1で終了。ボール支配率はメキシコが70%ながら、韓国がシュートを7本放ち、カウンターからのチャンスを作った。

 後半、後がなくなった韓国がテンポを速める。7分にはMF文が右クロスに合わせた。これがDFの手に当たったとアピールするも、笛は鳴らなかった。

 メキシコも受け身にはならない。ロングシュートなども選択しながら、速いリズムでフィニッシュにつなげる。後半14分には人数をかけた攻撃から、最後はMFグアルダードがミドルシュート。これはGKの好守に阻まれた。

 互いにゴール前に迫る展開が多くなる展開。韓国は後半18分にバルセロナの下部組織出身、20歳の期待の星MF李承佑を投入してさらに攻撃的に出ようとしたが、再びゴールネットをゆらしたのはメキシコだった。直後の21分。ショートカウンターで数的優位の状況を作ると、最後はエリア内左サイドのFWエルナンデスが1人を交わして左隅に流し込んで追加点を奪った。

 苦しくなった韓国は焦りからラフなプレーも散見されるようになった。J1神戸のMF鄭らをピッチに送り込んで反撃を試みるが、早め早めの選手交代で守備体系を整えるメキシコに苦戦。後半ロスタイムにFW孫がロングシュートで意地の1点を返すのが精いっぱいだった。

 試合は1-2で終了。メキシコが2連勝の勝ち点6とし、7大会連続の決勝トーナメント進出に大きく前進。韓国は2連敗となったが、後の試合でドイツがスウェーデンに勝ったため、1次リーグ突破のチャンスは残った。