13年のウィンブルドンを制し、現在は世界ランク3位につけるスコットランド出身のテニス選手、アンディ・マリー(27)が18日、バルセロナの本拠地カンプノウを訪れた。

 マリーは2-0でバルサが勝利したバレンシア戦を観戦。メッシのクラブ公式戦通算400得点目も目撃し、ご満悦の様子だった。

 「バルサTV」向けのインタビューに答え、「僕は彼らの試合を見るのが好きだ。すごいチームだし、プレーを見るのが楽しいよ。プレミアリーグをはじめ、いろんなサッカーを見るけど、スペインリーグももちろん好きだ。カンプノウに来ることができてうれしい」と話した。

 ところが、インタビュアーに「最も好きなチームは?」と聞かれると、意外な答えが返ってきた。マリーは「ハイバーニアンだね。スコットランドの僕のチームなんだ」と即答。さらに「イングランドではアーセナルの試合をチェックしてる」と続けた。「バルサ」というリップサービスは一切なし。現在はスコットランド2部に低迷するチームの名前を真っ先に挙げたのだ。

 マリーはかつて英デーリー・レコード紙にハイバーニアンが好きな理由を語っている。「友だちのほとんどがセルティックかレンジャーズという2強のファンだよ」というスコットランドで、なぜハイバーニアンなのか。もちろん祖父でサッカー選手だったロイ・アースキン氏が一時期所属していたというのが大きな理由だ。だがそれだけではないという。

 「ハイバーニアンにはみんなそれほど期待しないだろ。だから、少なくとも結果に落胆することもない。優勝できるかどうかに一喜一憂する必要がないから好きなんだ」と、妙な「マリー理論」を持ち出して、ハイバーニアン愛を説明している。

 マリー自身、サッカーの才能を見込まれ、15歳の時にレンジャーズの下部組織入りを誘われたことがある。「テニスは個人競技だから自分1人にかかる重圧が大きい。サッカーは友だちと一緒に楽しめるからいいね」というマリーにとって、サッカーはよりリラックスしてエンジョイするもの。その象徴がハイバーニアンなのかもしれない。

 マリーは「好きな選手は?」という質問には「メッシ。それからシャビやイニエスタも好きだよ。彼らは難しいプレーを簡単に見せてしまう。だからすごいんだ」と答えている。

 それでも好きなチームはハイバーニアン。そこだけは譲れない頑固なマリーが、ちょっと見ていておかしかった。