ローマのコートジボワール代表FWジェルビーニョ(28)の中東移籍は、破談になったようだ。

 ジェルビーニョは、14-15年シーズンUAEリーグ2位のアルジャジーラからオファーを受けていた。

 英ミラー紙(電子版)によると、クラブ間で移籍金の調整はできていたという。だが、アルジャジーラと選手本人の間で条件面での折り合いがつかなかった。

 アルジャジーラ側が「彼の法外な要求が障害になった。obscene(下品な)なことを主張しはじめたため、交渉は決裂した」と表現した、その要求の中身とは何だったのだろうか?

 ミラー紙が伊ガゼッタ・デロ・スポルト紙の情報を元に報じたところによると、ジェルビーニョが求めたものは<1>プライベートビーチ<2>ヘリコプター<3>彼の親族全員の住居<4>定期的にコートジボワールへ戻るための航空券、だったという。

 ローマは、欧州連盟(UEFA)が各クラブの経営健全化を求めて設定したファイナンシャル・フェアプレーの条件を満たすために苦心している。

 そのため、18年6月まで契約は残っているものの、市場価格約32億円(サッカーサイト・トランスファーマーケット調べ)ともいわれるジェルビーニョを売却したい意向だ。

 だが、これほどの要求をのんでくれるクラブを見つけることは、簡単ではなさそうだ。そもそも14-15年シーズンは24試合で2ゴールしか挙げていないFWに、それほどの価値があるのだろうか。

 条件面以前に、こういう要求を行う人間性に難色を示すクラブは多いはず。アルジャジーラ関係者も「何でも望みを聞いていたら、クラブ内でのバランスが崩れる」と話しているという。

 大金を稼いでいるのだから、「ヘリコプターも一族郎党が暮らす家も、自分で買えばいいのに」と思ってしまうのは、筆者がしがないサラリーマンだからか。

【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)