イングランド5部フォレスト・グリーンの本拠地「ザ・ニューローン」は、ダイエットを心掛けている方にとって、最高のスタジアムだ。

 英BBC放送(電子版)によると、同クラブは4年前からスタジアムの売店でハンバーガーやソーセージ類など、牛肉、豚肉を使ったメニューを売るのをやめたという。

 その後、鶏肉も廃止し、そして最近、魚もメニューから除外。完全ベジタリアン仕様のスタジアムとなった。

 グリーン・エネルギー(風力発電や太陽光発電などで得た電力等、環境に負荷を与えないエネルギー)を供給する会社「エコトリシティー」のオーナーでもある、フェレスト・グリーンのチェアマン、デール・ビンス氏は「サッカー界により良い食事を持ち込みたいということ」と説明する。

 同氏はさらに「我々にとって食事はとても重要な問題。環境面への配慮や、持続可能であるかどうかの問題にも関わってくる。ここ数年取り組んでいる課題なのです」と付け加える。

 単純に肉や魚を取り除いただけではなく、地元のカフェのシェフとタッグを組み、「ザ・ニューローン」では魅力的なメニューの開発にも余念がない。

 新作メニューには、「QUORN」というタンパク質から作られた肉の代替食品を使った「Q-パイ」というパイ料理も登場する予定だという。

 この動きに対し、サポーター組織の代表であるティム・バーナード氏も「最初に肉がなくなった時は、みんなショックを受けていたようだった。でも、ここ数年、売られている料理はとても質が高いよ」と容認の姿勢を見せている。

 単純に肉を食べなければ健康になる、というものではないとは思う。だが5部のクラブでさえ、ファンに提供する食事にまで徹底的に気を配り、クラブのポリシーを浸透させるところは、日本のチームも参考にして良いのではないだろうか。

【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)